カット料金 40,000円
もしこの単価でサービスを提供し、お客さんがたくさん来れば、こんな嬉しいことはありませんが、現実は難しい。
価格とは、「需要と供給のバランス」によって決まりますから、10倍の40,000円に設定すると、需要はほぼなくなり、需要と供給のバランスが取れない。
美容室の価格設定は「近隣相場次第」となるケースがほとんどです。
とびきり高いお店では人は来ないし、
とびきり安い店では利益が最大化しない。
周辺のお店が4,000円だから、うちも4,000円にしないといけないかな。
そう考えるのは平成まで。
今は違う。
違うというより、選択肢が広がっているという表現が正しい。
本当に40,000円は無理なのでしょうか。
利益の最大化について、マーケティングの観点からその可能性を細かく分解しながら考察し、記事の後半ではその具体的な方法を紹介していきます。
価格設定の3つの原理
美容師さんの市場価値を上げる方法を紹介する前に、まずは価格設定の原理を把握するところから解説します。
基本を理解しておくことはこの先とても大事ですからね。
さて、どのサービスや商品でも価格設定には3つの原理原則があります。
- 原価基準方式
- 競合基準方式
- 価値基準方式
簡単に解説すると
方法 | 説明 | メリット | デメリット |
原価基準方式 | 材料費・人件費・家賃等を考慮した価格設定 | 赤字になりにくい | 利益が増えにくい 薄利多売 |
競合基準方式 | 他社の価格を考慮した価格設定 | 価格が顧客に納得されやすい | 利益が増えにくい 原価割れもあり得る |
価値基準方式 | 顧客が感じる価値を考慮した価格設定 | 利益が最大化する | 市場開拓が難しい |
3つの方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
そして、美容室は多くの場合「競合基準方式」をベースに価格設定されているようです。
この方式は、他店舗横並びであるため、顧客が分散化されやすいのですが、一方で経営視点が欠如すると、一気に赤字化するリスクがあります。
例えば、
- 一等地に店を構え、内装に多額の資金を投じているような固定費が高いお店
- 集客目的で多額の広告サイト利用料を支払うお店
などが、競合基準方式を採用してしまうと、原価割れリスクも出てきます。
これが続くと経営としては難しいですね。
さて、上の表を見ると、もうおわかりだと思います。
利益を最大化させるために、狙うべきは「原価基準」でも「競合基準」でもなく「価値基準方式」です。
つまり、「提供するサービスの価値を引き上げることで価格を引き上げていく方式」を目指します。
では「サービスの価値」とは一体何でしょうか。
もう少し分解して解説します。
顧客が感じるサービスの価値とは
美容室に行きカットしてもらう。
お会計時に「4,000円です!」なら納得しやすい。
これは、「髪の毛を切る相場は4,000円程度」という情報が顧客にインプットされているからです。
私たちが、サービスや商品の価格を高いか安いか判断する基準は、過去の同一サービスや類似サービスの価格との比較により行います。
もし「40,000円です!」と言われたら、
「いやいや、高すぎるだろ!」
となるのは、過去のサービスと比較して「高すぎる!」と判断されたからです。
ここがポイント!
価格を上げるには、
「顧客に、過去の同一サービスや類似サービスと比較されないこと!」
が必要不可欠です。
過去の同一サービスや類似サービスと比較されないサービスを提供すれば、サービスの価値は上がります。
すなわち、「あなたの市場価値が上がる」ことを意味します。
「このサービスなら、40,000円でも高くないか。」
と思わせることができるかどうかです。
ではここから具体的な手法を紹介します。
市場価値を引き上げる方法
市場価値を引き上げるためには、過去の同一サービスや類似サービスと比較されないことが大事と解説しました。
もしあなたが提供するサービスが、他店と比較されるような「カットだけ」なら市場価値を引き上げるのは困難です。
「いやいや、技術を磨けば市場価値は上がるだろ!」
とお考えの方も多いと思いますが、これはとても難易度が高いはず。
その理由は、
- 顧客は技術を理解できない(する必要がない)
- 顧客は技術以外も求めている
- 技術研鑽により技術力ホルダーの順位は常に入れ替わる
価格決定は「需要と供給のバランス」と言いました。
顧客の需要が「高い技術力」であり、それを供給する人が少なければ、価格は上がります。
が、その需要は決して多くなく、さらに供給側も少なくない。
これが難易度が高いという理由です。
難易度が高い領域で勝負しなくても、もっと楽に市場価値をあげたほうがいいですね。
そこで使える戦略が
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