コラム

美容室の売上UPにつながる割引クーポンの活用を考えてみた!

「割引クーポン」

 

今や当たり前のように活用されている割引クーポンですが、本当に売上UPにつながっているのでしょうか。

割引クーポンは、一般的には新規顧客の獲得や売上の増加に効果的なツールですが、その一方で適切に使わないと利益を圧迫したり、ブランド価値を損なったりするリスクもあります。

だから、クーポンは戦略的に発行しないといけないのに、

 

  • 担当から言われたから
  • みんなやっているから
  • なんとなく

 

という理由でクーポン発行は危険です。

そこで、この記事では、割引クーポンのメリットとデメリットを踏まえ、効果的な活用方法について、具体的な戦略とシミュレーションを通じて考察します。

さらに、ブランディングとリピーター獲得の視点からも最適な戦略を提案するので、美容室経営者の方は参考にしてみてください。

割引クーポンのメリットとデメリット

まずは、割引クーポンのメリットとデメリットを把握しておく必要があります。

以下は一般的な内容ですが、念のため書き留めておきます。

割引クーポンのメリット

1. 新規顧客の獲得

割引クーポンは、新しい顧客を美容室に引き込むための強力なツールです。価格に敏感な消費者は、割引の提供によって初めての来店を試みやすくなります。

2. 短期的な売上の増加

短期的には、割引クーポンを利用することで来店客数が増加し、売上が向上します。特に閑散期においては、割引クーポンが有効です。

3. 在庫調整とキャッシュフローの改善

一時的な来店数の増加により、在庫の効率的な消費が可能になり、キャッシュフローの改善に寄与します。

4. ブランド認知度の向上

割引クーポンを通じて、多くの人に美容室の存在を知ってもらうことができます。これにより、将来的な顧客基盤の拡大が期待できます。

割引クーポンのデメリット

1. 利益率の低下

割引を提供することで、当然ながら一人あたりの利益が減少します。過度な割引は、長期的な利益を圧迫するリスクがあります。

2. 割引依存の形成

顧客が割引クーポンを常に期待するようになると、通常価格での利用を避けるようになる可能性があります。これにより、リピーター獲得が難しくなります。

3. ブランド価値の低下

頻繁な割引は、美容室の高級感や品質イメージを損なうことがあります。特に高級志向の顧客層に対しては、割引が逆効果になる場合もあります。

 

以上がクーポン発行によるメリット・デメリットです。

「知ってるよー!」の内容も多いと思いますが、ほとんどの方は「デメリットは把握しているけど、集客のためにはやむをえない!」という理由で発行しているのではないでしょうか。

 

ここで思考停止していては、長期的なブランディングはできません。

では割引クーポンを効果的に活用するための戦略を紹介します。

 

割引クーポンを効果的に活用するための基本戦略

割引クーポンの戦略を紹介する前に、まずはメニュー構成について理解していただきます。

コアサービスとアドオンサービスの定義

コアサービス

美容室の主要なサービスであり、顧客が主に求める基本的なサービスです。例として、カット、カラー、パーマなどが挙げられます。

アドオンサービス

コアサービスに付随する追加的なサービスであり、顧客満足度を高めるために提供されます。例として、トリートメント、ヘッドスパ、ネイルサービスなどが挙げられます。

コアサービスにおける割引クーポンの活用方法

新規顧客の獲得

カットやカラーといった基本的なコアサービスに割引を提供することで、新規顧客が気軽に初めての利用を試みることができます。例えば、「初回限定カット5000円→4000円」という割引クーポンですね。

購入障壁の低減

価格に敏感な新規顧客に対して、コアサービスの割引は、初回利用の心理的および経済的障壁を低減します。これにより、新しい顧客層を開拓しやすくなります。

アドオンサービスにおける割引クーポンの活用方法

顧客単価の向上

既存顧客や新規顧客がコアサービスを受ける際に、アドオンサービスの割引クーポンを提供することで、顧客単価を上げることができます。例えば、カットの際に「トリートメント3000円→2000円」という割引クーポンを提供することで、追加のサービスを利用してもらうことができます。

リピーターの獲得

アドオンサービスの割引クーポンを提供することで、リピーターの獲得に繋がります。例えば、ヘッドスパやネイルサービスの割引クーポンを定期的に提供することで、顧客が繰り返し来店する動機づけになります。

実際の割引クーポン戦略のシミュレーション

ではどれぐらいの売上UP効果があるのかをシミュレーションしていきます。

私個人的な考察なので、数字はあくまでも参考に。

割引A: カット+トリートメントセットの割引

戦略概要

  • クーポン内容: 「カット(5000円)+トリートメント(3000円)のセットで1000円割引」
  • 価格設定: 通常8000円のところを7000円に設定

効果

  • 顧客にとってお得感が強い
  • カットだけではなく、トリートメントも併せて利用することで、売上が増加(客単価増)
  • トリートメントの効果を実感した顧客がリピートする可能性が高まる

割引B: それぞれ10%割引

戦略概要

  • クーポン内容: 「カット5000円→4500円、トリートメント3000円→2700円」
  • 価格設定: 各サービス10%割引

効果

  • 価格に敏感な顧客層に対して効果的
  • 個別にサービスを利用する顧客を引き付ける

割引C: 次回予約時のトリートメント割引

戦略概要

  • クーポン内容: 「次回予約時にトリートメント3000円→2000円」
  • 価格設定: 次回予約で1000円割引

効果

  • 次回の来店を促進
  • トリートメントのリピーター獲得に繋がる

 

それぞれには売上UPの効果がありますが、大事なことは「長期的視点での売上UP」です。

そのためには、ブランディングとリピーター獲得効果を考慮する必要があります。

ブランディングとリピーター獲得のための最適戦略

ブランディング戦略

高品質なサービスの提供

割引クーポンを利用する際も、美容室のサービス品質を一貫して高水準に保つことが重要です。顧客が一度体験した際に満足度が高ければ、再訪の可能性が高まります。

ブランドメッセージの強化

美容室の強みや特徴を明確にし、顧客に対して一貫したブランドメッセージを伝えます。例えば、カット技術の高さや、リラックスできる空間の提供など、他店との差別化ポイントを強調します。

リピーター獲得戦略

割引クーポンの戦略的活用

  • 割引Aの積極的な提供: カット+トリートメントのセット割引(7000円)を提供し、顧客単価を向上させる。
  • 割引Cの併用: 次回予約時のトリートメント割引を併用し、リピーターを増やす。

顧客データの活用

顧客の利用履歴や好みをデータベース化し、パーソナライズされたオファーを提供します。例えば、過去にトリートメントを利用した顧客に対して、次回のトリートメント割引を提供するなど、顧客ごとのニーズに応じたサービスを提案します。

ロイヤルティプログラムの導入

ポイントカードやメンバーシッププログラムを導入し、来店ごとにポイントを貯める仕組みを作ります。一定のポイントが貯まると割引や無料サービスが受けられる特典を提供し、顧客の継続利用を促進します。

 

以上を踏まえ、どのような戦略で割引クーポンを発行すべきかまとめます。

なお、割引クーポンの発行は、それ単体の議論ではなく、経営戦略全体に影響することから、次のようにまとめます。

【結論】経営戦略の統合と実行

ブランディングとリピーター獲得の両方を重視し、以下の戦略が効果的だと考察します。

  • 高品質なサービス提供と一貫したブランドメッセージの強化が前提
  • 戦略的な割引クーポンの活用(セット割引と次回予約割引の併用)で新規とリピーターを獲得
  • 顧客データの活用とパーソナライズされたオファーの提供
  • ロイヤルティプログラムの導入と顧客フィードバックの活用
  • 稼働率が上昇した後は新規獲得クーポンを廃止
  • 客単価上昇を狙うために、定期的にメニュー構成を見直し、セットメニューの限定クーポンを発行する
  • 最終的には割引クーポンを全廃する

私がサポートしているお店も、(アプローチはそれぞれ変えますが)基本的には、割引クーポンは全廃、もしくはクーポンを活用して客単価を引き上げる取り組みを行います。

 

経営はお客様を喜ばせることがメインではなく、売上UPを目指すことだと思っています。

売上UPを目指すための手段として、「顧客満足度の向上が一丁目一番地の取り組み」となっているのですが、顧客満足度の向上は「割引によるお得感醸成」ではありません。

 

日本は、ここ何十年も「良いものを安く」という風潮があり、「割引したら、顧客が喜ぶ」という思考が強くなっています。

 

確かに顧客は喜びます。

しかし、その喜びは、本当に必要でしょうか。

 

実際の値引きではなく、「お得感を味合わせる」だけで十分です。

 

その思考を持たないと、売上というのは伸びていかないかなと思いますね。

まとめ

割引クーポンは、美容室の売上を増加させ、リピーターを獲得するための有力な手段です。

ただし、その効果を最大限に引き出すためには、ブランディングと顧客体験の向上に注力することが必要です。

コアサービスとアドオンサービスを戦略的に活用し、顧客のニーズに合わせた割引クーポンを提供することで、長期的な成功を目指しましょう。

 

HPBで割引クーポンを乱発しても、嬉しいのはお客様とリクルートだけな気がします。。。

 

もっと言いたいことがあるのですが、オンラインには載せれないので、続きはメルマガで書きます。

 

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しき

現役WEBマーケターのかたわら、副業でSNSアフィリエイト。 ★インスタ運用のノウハウを知人美容師にサポートしたのをきっかけに美容室のインスタ集客を本格化。 ★美容師×SNSマーケティングの新しい視点で利益を上げる取り組みを実践中。 ★ファイナンシャルプランナー資格とSNSマーケティングを組み合わせたサポートも展開中。

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