行動経済学とは?
行動経済学とは、経済学の数学モデルに心理学的に観察された事実を取り入れていく手法。
ちょっと難しいですよね。もう少し分かりやすいように説明します。
これまでの生活で次のようなことはありませんでしたか?
- 待ち望んでいたバーゲンセールに行き、割引値札のついた服を物色。ただ、実際に購入したのは割引されていない新作の洋服だった。
- 元々買う予定がなかったのに、レジの前に並んでいる「ガム」を手にとり買い物カゴに入れてしまった。
- ランチコースが3つある。A:2,980円とB:1,480円とC:980円。「私はBで!」とオーダーした。
これらの行動は、全て「ご自身の意思」で決めているのではなく、誘導されているだけです。
例外なく全てです。
消費者は、自分の意思だけで合理的に決断することができません。
ほとんどのケースは、意思決定が外部要因に大きく影響を受けます。
この外部要因こそが「行動経済学を活用したマーケティング」です。
もし、行動経済学を活用したマーケティングを実践すれば、あなたのお客さんを意図するままに誘導できるかもしれません。
ということで、この記事では「美容室経営×行動経済学」というちょっと変わった観点で、利益を底上げするための工夫を紹介します。
美容室のお客さんは本当に買う気がないのか?
お店のカウンターあたりのショーケースに陳列しているシャンプーやトリートメント。
このような店販グッズの売り上げが伸びると、お店の利益に直結しますよね。
ただ、ショーケース内におしゃれに陳列していても、お客さんの購買意欲はそそられません。
なぜなら、お客さんにとって店販グッズを買うメリットが見えていないからです。
- 「よかったらいかがですか?」では買いません。
- 「この成分すごいんですよ!」でも買いません。
- 「今なら30%オフです!」でも多分買わない。
お客さんが普段使っているのは市販のシャンプーなはずですよね。
そのシャンプーが「アンカー(基準)」となっていますから、それを上回る何かが実感できないと購買意欲は湧き起こりません。
そのため、「悩み解決の手段としての訴求」などで消費者にアプローチすることが重要ですが、それだけでは不十分。
「もう、その商品を買うしか選択肢がない!」
というぐらいの状態まで持っていかないと行動は起こしません。
なぜなら、元々購入予定がなかったから。
購入予定がない人に、「その商品、欲しい!」と思わせるには、商品力ではなく、セールス力が重要です。
ただ、ここで見落としがちなのは「購入予定がない人」ではあるものの、「買う気がない人」ではないということです。
お客さんは「気付いていないだけ」で、正しいアプローチをすれば「欲しく感じる人」を掘り起こせます。
なぜなら、自らの美容に興味をもち、美容室に訪れるお客さんには「一貫性の法則」が働くからです。
一言声をかけるだけで、売り上げアップのチャンスがあるのに、放置しているのはもったいないと思いませんか?
お客さんに「それ欲しい!」と思わせるには?
お客さんに商品を購入してもらう場合、お客さんの心の中で様々な思考の変化があり、自問自答が繰り返されます。
人々が商品を買う心理的なプロセスはある程度決まっており、効果的なフレームワークがあります。
メモ
購買心理に関するフレームワークは後日紹介予定。
ただ、
- 美容師とお客さんの間に多少の信頼関係ができている
- お客さんに美容への関心がある(経済的負担を受け入れている)
- お客さんの(髪の)悩みを熟知している
このような条件を備えていると、セールスのフレームワークに当てはめることなく、もっとシンプルな訴求で購買意欲を掻き立てることができます。
大事なポイントは1つ。
「お客さんに、その商品を使うことで得られる未来をイメージさせること」
人は、魅力的な将来に期待するからこそ、その商品を買うわけです。
それは投資ともいえます。
決して「トリートメントという商品」が欲しいわけではなく、「トリートメントを使って素敵な自分になる」と期待できるから投資するわけですよね。
つまり、商品の説明をしても意味がなく、大事なことは「この商品を使えば、あなたはどう変わるのか?」を具体的にイメージさせることができれば、モノは売れます。
そして、大部分の美容師さんにはそのスキルが備わっているはずです。
なぜなら、カットやカラー、縮毛矯正、トリートメントなど、全てのメニューがお客さんの将来への投資をサポートしているから。
だから発想の転換次第で、誰でも店販セールスは結果が出せるはずです。
ではここからは消費者心理を活用した具体的な心理的アプローチをいくつか紹介します。
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