こんにちは、Shikiです。
今日は、ビジネスにおいて非常に重要な「需要と供給」について深掘りしていきます。
少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、日常の身近な体験から学べる内容ですので、最後までお付き合いください。
先日、私は家族と一緒に大阪から福岡までの船旅を楽しむため、フェリーを利用しました。
車を乗せて移動できるフェリーで、まるで小さな旅行のような感覚で過ごせるのが魅力です。
普段は飛行機や新幹線を利用することが多い私たち家族にとって、船旅は特別な体験でした。
しかし、その乗船代が思いのほか高額だったのです。
具体的には、フェリーの乗船代だけで96,000円もかかりました。
これには、家族4人と車1台の料金が含まれています。さらに、船内での食事を含めると、合計で11万円以上になってしまいました。
「それって高すぎるんじゃないの?」と思われるかもしれません。
私も同じように感じました。
ちなみに、帰りの便はお盆のピークを外して予約したため、合計で6万円程度でした。行きと帰りでなんと5万円もの価格差があったのです。
この価格差を見て、何か気づくことはありませんか?
単純に「夏休みだから高いんだろう」と諦めることもできますが、それだけではもったいない。
実は、この価格設定には「需要と供給」というビジネスの基本原則が隠されているのです。
繁忙期と閑散期、価格を変えていますか?
フェリーの価格が大きく変動した理由は、夏休みという繁忙期に需要が高まったからです。
多くの人が旅行に出かける時期、つまり需要が高まる時期には、フェリー会社も当然、価格を引き上げます。
なぜなら、限られた席数やキャビンの供給が変わらない中で、多くの人がフェリーを利用したいと考えるため、価格を上げることが合理的だからです。
一方、需要が低い閑散期には、価格を下げてでも顧客を獲得しようとします。
このように、需要と供給のバランスによって価格が変わることを、ビジネス用語で「ダイナミックプライシング」と呼びます。
ここで、皆さんが経営している美容室に目を向けてみましょう。繁忙期と閑散期で価格を変えていますか?
おそらく、多くのサロンが価格を一定に保っているのではないでしょうか。
ネットで調べてみると、一部の美容室ではこのダイナミックプライシングを導入しているところもありますが、それはごく少数派です。
なぜ、多くの美容室がこの施策を取り入れていないのでしょうか?
一つ考えられる理由は、「同じカットなのだから、繁忙期と閑散期で価格を変えるのは無理」という固定観念です。
しかし、これこそがビジネスにおける思考停止状態です。需要が高い時期に価格を上げることは、実は非常に合理的な戦略なのです。
ダイナミックプライシングとは?美容室経営への応用
ダイナミックプライシングは、需要に応じて価格を柔軟に設定する戦略です。
この戦略を美容室経営に応用することで、売上を最大化することが可能になります。
フェリーの例で見たように、需要が高まると価格を上げ、逆に需要が低い時期には価格を下げることで、より多くの顧客を取り込むことができます。
たとえば、クリスマスや年末年始などの繁忙期には、通常の価格よりも少し高めに設定することが考えられます。
この時期には、多くの顧客が新年に向けて髪を整えたいと考え、美容室の需要が高まります。
逆に、夏の終わりや梅雨の時期など、比較的来店数が少ない時期には、特別割引を提供して、閑散期でも売上を確保することができます。
「でも、そんなことをするとお客様が離れてしまうのでは?」と心配になるかもしれません。
しかし、重要なのは価格を変動させる理由を明確に伝えることです。
「繁忙期には質の高いサービスを提供するために、価格を調整させていただいております」といった説明を加えることで、顧客は納得しやすくなります。
価格設定で売上を最大化する方法
価格設定は、ビジネスの成功において極めて重要な要素です。
特に美容室のようなサービス業では、価格が直接的に売上に影響します。
しかし、単に価格を上げるだけではなく、需要に応じた適切な価格設定が求められます。
これからの美容室経営において、安さを競うコモディティ戦略では生き残りが厳しくなります。
低価格を武器にすると、一時的には集客が増えるかもしれませんが、長期的には利益率が低く、経営が苦しくなるリスクがあります。
そのため、低価格競争に巻き込まれるのではなく、価値を提供し、それに見合った価格設定を行うことが重要です。
また、価格を変動させる際には、事前に顧客へのアナウンスをしっかり行うことが大切です。
たとえば、「来月から夏の繁忙期に伴い、価格を一部調整させていただきます」といった告知を店内に掲示したり、メールでお知らせすることで、顧客に対する配慮を示すことができます。
さらに、繁忙期に価格を上げることで、実は一部の顧客が閑散期にシフトする可能性もあります。
これにより、繁忙期の混雑を避けつつ、閑散期の売上を増やすことができるため、全体的な売上の安定化にもつながります。
需要を操作することで得られる売上アップの効果
私は、コンサルティングを行っている美容室には、特に「需要を操作する」ことの重要性を伝えています。
需要をうまくコントロールすることで、繁忙期だけでなく、閑散期にも売上を確保することが可能になります。
需要を操作する方法として、繁忙期には価格を引き上げるだけでなく、特別なサービスを提供することも有効です。
たとえば、特別なシャンプーやトリートメントを追加したり、限定メニューを提供することで、顧客に「この時期だからこそ体験できる」特別感を与えることができます。
また、閑散期には、価格を下げるだけでなく、割引キャンペーンやポイント倍増キャンペーンを実施することで、顧客の来店を促進することができます。
これにより、全体的な売上を安定させると同時に、顧客のロイヤリティを高めることができます。
結局のところ、消費者の行動は本能に基づいています。需要が集まる場所にさらに需要が集まるという現象が起こるのです。
ですから、需要をうまくコントロールすることで、売上の向上を図ることができます。
最後に、ダイナミックプライシングに関する詳細な解説は、以前の投稿で取り上げていますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
ダイナミックプライシングを導入することで、あなたの美容室経営に新たな可能性が広がるかもしれません。
本日は以上です。